「テキサス・チェーンソー ビギニング」を観た感想は『普通の殺人鬼に成り下がったレザーフェイスはいらない』だった

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とりあえずマイケル・ベイの悪ノリっぷりを観ておかんとなぁということで、悪魔のいけにえのリメイク作品、テキサス・チェーンソーの続編、テキサス・チェーンソー ビギニングを観ました。公開時、レザーフェイス誕生の秘密だとかなんとかそれっぽい売り文句でしたね。

恐怖映画のプリクエル

リメイクだった前作が、思いのほか当たってしまったものだから、いわゆる「エピソード0」の企画が持ち上がったんでしょう。

 で、レザーフェイスがどうしてチェーンソーを持つようになったのか、そもそもなんで人の顔の皮を被っているのか、家族がああなった理由は?、と云う、謎解きのような展開になるわけです。

 僕としては全然嬉しくない方向性でした。

 前作を観た時にも強く思ったことで、レザーフェイスがどんどん普通の殺人鬼になってしまうのが、凄くイヤなんです。何故皮を被るかなんて、理由が無い方が断然イイじゃん!断然気持ち悪いじゃん!チェーンソーに理由なんかないほうがイイでしょ。

 旧作トビー・フーパー版が放っていたあの不気味さは、血の量ではなくて空気感だったと思います。むしろ血の映像は少ないほうだったし、狂った家族の笑い声だけで全身がゾワゾワしたものです。

 この家やべー!とにかくやべーっす!的な、理由の無い怖さのなんと恐ろしい事よ。

普通の殺人鬼を見たいか?

残念なことに用意されてしまったそれぞれの理由と云うのが、めっさめさしょーもないんです……。「それやったら別にいらんやんけ」的な理由でした。

 チェーンソーを初めて手にするシーンは、音楽でも盛り上げて思わせぶりなカメラアングルで演出されているものの、なんか普通です。えーもん見っけたから使うようになった、程度の理由なんです。

 いらんやんそんなん!もーー!!

 ビギニング的な部分も、なんかあっさりしてます。あとはいつもの展開です。テキサス・チェーンソー2でええんちゃうんそれやったら、と思うわけです。2の冒頭に、回想として昔の出来事を差し挟む程度でええんちゃうん!あーイライラするーーーー!!!キーーーー!!!

 マイケル・ベイの手で、すっかり普通のイカレた殺人鬼に成り下がってしまったレザーフェイスは、本来の魅力を無くしてしまった可愛そうなキャラクタでした。これが、テキサス・チェーンソー・マサカーの冠がない作品だったら、なかなかの健闘だと思うし出来も決して悪くないと思います。やっぱり、思い入れの強い作品がリメイクされた時は、あんまり観ないほうがいいのかもしれません。

最後に

トビー・フーパーのオリジナルに思い入れが無い、観たことが無い、でも残虐な怖い話はスキ、という人にはオススメ出来ます。よく出来ているホラー作品であることは間違いないので。

 でもなぁ…。やっぱしなぁ…。あ、もういい?■■

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