「バベル」を観た感想は『大人向けのピタゴラ・スイッチだな』だった

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公開当時、賞レースの面で公開前からなにかとメディアで取り上げられていた作品です。ブラッド・ピットや菊池凛子に特別な思い入れはありませんので、割とニュートラルな状態で観ました。

基本情報

バベル [Blu-ray]

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一発の銃弾が、孤独な心を繋ぎあわす…
ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子、豪華キャスト共演で贈る衝撃のヒューマンドラマ。
モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本を舞台に、異なる事件から一つの真実が導かれていく。

感想

モロッコの厳しい大地から物語は始まり、大陸と言語をまたぎながら、そこで暮らす人々の罪、葛藤、優しさ、愚かさ、を描き出します。ストーリー自体は、それぞれのエピソードを貫く複線やしかけが用意されてはいるものの、基本的には独立している構造です。短編集のようにも捉えることが出来る印象です。

 単なる短編集ではないシカケとしては、それぞれのエピソードが持つ寂しさや虚しさと云った要素が、同じパーツで出来ているように感じる部分だと思います。

 東京で暮らしマンションに住んでいる親子も、モロッコの荒れ果てた山で自給自足の生活を営む親子も、皆同じく優しい人間であり、愚かしい人間であり、日々起こる出来事に翻弄されながらなんとか乗り越えるために必死で転げ回っとる、という部分です。

 こういう言葉でこの作品を表現してしまうと、説教臭いヒューマン・ドラマのように思えるかもしれませんが、娯楽作品としてちゃんと良く出来ていると思いましたよ。

 一つ掛け違えただけの些細な出来事が、連鎖を繰り返して色んなキャラクタの運命があらぬ方向にガンガン転がって行く流れは、なかなか面白いんです。

 大人向けのピタゴラ・スイッチ映画、とはちょっと云い過ぎでしょうか言い過ぎましたすみません。見終わった後は、ちょっと果てしない気分になれました。たぶん、面白く無いと感じる人には腹が立つ程面白く無いであろう作品ですが、僕自身は好きです。大人っぽくて。■■

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