「メメント」を観た感想は『この完成度でジャスティス・リーグも頼みますよ!』だった

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メメント(原題: Memento)。またも、ずっと気になっていたけど放置し続けていた映画シリーズです。今更なぁと思いながら2001年以来14年も経ちそれでもたまたま手にとってしまったのはナニか理由があったのでしょうか。多分単なる気まぐれです、はい。そしてまた今作も「何故今まで見てなかったのか」と激しく後悔することになりました。嗚呼自分の馬鹿馬鹿ポカポカ。

 10分しか記憶がもたない障害を持っている男「レナード(ガイ・ピアーズ)」が主人公と云うトリッキーな設定です。何故そんな事になったのか。

感想

レナードは自宅に侵入した何者かの手によって、妻を強姦され殺されてしまいます。そしてその現場に遭遇してしまったレナードは犯人の1人を射殺したものの、もう1人の犯人の手で外傷を負わされ、記憶が10分しかもたなくなるのです。

 彼はその事を自覚している為に、忘れてはいけない重要な出来事や事実を経験した際には、体にタトゥーを入れ、記憶がリセットされてしまった未来の自分に対してなんとかメッセージを残そうとします。身体中に残るテキストばかりのタトゥー。

 なにその切ない設定。

 10分経つ度に彼は記憶が瞬時にリセットされますが、その障害を持ってしまった時より以前の記憶は残っています。そしてその記憶は彼に「復讐の為に真実を解き明かさなくてはならない」と強く訴えるのでした。

 ね。もうこのプロットだけで、むっさ気になる内容でしょ。つまり、この作成はプロット段階で半分勝ったようなものなんです。更にこの作品には、ストーリーテリングにおいても素晴らしいアイデアが盛り込まれています。

脚本で唸った

レナードの不安(10分前に自分はナニを考えナニをしようとしていたのか判らない不安)を映画の観客に疑似体験させる為に、ストーリーの終わりから過去にさかのぼっていく形式をとっています。10分刻みで。

 つまり、観客を主人公レナードと同じ不安で不確かな気持ちに引きずり込みながら、エンタメ作品としては、過去に遡れば遡るほど真相が明らかになると云う仕掛けになっていて、物語の1番最後が、時系列的には1番過去になっているんです。

 この演出のことは、これまでに読んだり聴いたりして知っていたわけですが、これほどまでに完成度が高かったとは!

 僕は嬉しくなってしまい、つい続けて3回も観てしまいました。ストーリーの細部が判らなくて明らかにしたい、と云うことではなく、編集や演出を普通に楽しめた上に何度も観たいの感じたのですから、なんとも不思議な魅力に溢れた作成です。

クリストファー・ノーランは何処へ向かうのか

メメントはインディペンデントとして制作され公開されました。監督は、製作当時31歳のクリストファー・ノーラン。ダークナイト、インセプション、インターステラーの作風は、この頃からしっかり醸造されていたんだなあと感じます。天才てのは、若くしてトンデモナイ足跡を残しがちですが、彼もまたその1人ですね。

 さて彼は、遂にジャスティス・リーグに着手しました。簡単に云えば「DCコミックス版のアヴェンジャーズ」です。スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、グリーンランタンなどのスーパーヒーロー達が夢の共演。

 僕としてはアメコミと云えばDC作品よりもMARVEL作品に触れる事が多かったのですが、流石に期待せずにはいられません。しかも監督はあの、ザック・スナイダーです。更に特筆すべきは、スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーを、ジェシー・アイゼンバーグが演じると云うこと。

 誰やねんそれ?

 映画「ソーシャル・ネットワーク」で若き日のマーク・ザッカーバーグを演じた彼じゃんよ!もう、飛び道具的なキャスティングである事は明らかですよね。楽しみ過ぎてソーシャル・ネットワークも見直してしまいました。

 ともあれ、来年2016年3月です。それまで、前作にあたる「マン・オブ・スティー」を見直してちゃんと復讐しておかないとね。それでも足りないならザック監督の過去作品でもいいです。震えて待ちましょうぞ。■■

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