「寝ずの番」を観た感想は『男も女も心は小学生のままだ』だった

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日本映画の中では確実に5本の指に入るほど好きな作品「寝ずの番」を紹介します。マキノ雅彦(津川雅彦)第一回監督作品です。公開当時も劇場にも見に行きましたが、見終わった後に必ず購入することは決めていたほど、とにかく面白かったのです。劇場で何度も声を出して笑ったものです。

基本情報

寝ずの番 [DVD]

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俳優・津川雅彦の“マキノ雅彦”名義での監督デビュー作となる痛快コメディ。中島らもの同名小説を中井貴一、木村佳乃ほか豪華俳優陣共演で映画化。上方落語界の重鎮のお通夜(=寝ずの番)で繰り広げられる人間模様を時におかしく、時に切なく描く。

感想

原作は故中島らもさんです。上方落語のとある一門をとりまく人間関係が土台となり、色々な通夜のシチュエーションを描いています。この作品R指定が付いていて、実はかなり淫靡な内容です。話そのものや設定が淫靡なのではなく、単純にセリフがモロと云う事です。

 「おまんこ」「おめこ」「おそそ」などが、日常会話としてポンポン出てくるし、引っ掛けた女性との一夜の出来事を兄弟弟子に語るシーンなどでは、面白おかしくフィストファックの経験を語ったりします。

 これがまた全然下品になっていないところが凄く良くて、ちゃんと笑いの方向で昇華されているのが清しいんです。いや下品ではあるんですが、嫌味がないと云うか。

 劇中、春歌による歌合戦が始まる場面があります。歌詞は小学生並みに下らない下ネタなのに、なんだか大人の香りがして嫌味に感じなかったのが不思議です。これは監督のセンスに寄るところが大きいのかもしれません

 ハァ〜

 チンポチンポと いばるなチンポ

 チンポ オメコのつまようじ

 チョイナチョイナ

 文字に書くと雰囲気が伴わないのでえらくゲッすいことのように見ますね……。このテの春歌を、中井貴一、 木村佳乃、堺正章らが、三味線を弾きながら粋に歌うわけです。まー中井貴一の声が、なんと良い響きか。この人関西弁も上手ですよー。

最後に

全編を貫くイメージは明るく能天気。でも関西芸人の義理人情といった暖かな空気は常に並走していて、ちょっと切なくさせられたりもする。関西人の大人には見せたい作品です。■■

寝ずの番 角川文庫

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