先日、劇場で「この世界の片隅に」を観てきました。
とても素晴らしい作品で、中盤からラストまで、ずっと泣き続けてしまいました。
泣かせようと躍起なっているようなタイプの作品ではないのに、1つ1つのエピソードの積み重ねがとても丁寧で、じわじわと心の中に食い込んでくる感じです。
「この世界の片隅に」の感想エントリは既に書きましたが、劇中歌として使われていた「悲しくてやりきれない」を聴いて思い出した映画作品があったので紹介してみわうと思います。
井筒和幸監督の「パッチギ!」です。
基本情報
『パッチギ!』(韓国語 : 박치기)は2004年製作、2005年1月22日公開の日本映画。2006年には韓国ソウルの明洞CQNでも公開された。監督は井筒和幸。キネマ旬報ベストテン1位、毎日映画コンクール最優秀作品賞、ブルーリボン賞作品賞を受賞した。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
感想(思い出す)
現在絶賛上映中の映画作品「この世界の片隅に」は、僕の生涯ランキングに食い込む凄まじい作品でしたが、その作中かなり序盤でカバーされた「悲しくてやりきれない」が流れます。
このチョイスの時点で僕の中に2つの感情が芽生えました。
- お、この曲使うんだ、いいセンスじゃん、期待出来るかも
- え、この曲使っちゃうの……内容しょうもなかったら怒るからな……!
つまり、この曲をとても評価しているんですね、僕は。
結果的にいえば、「この世界に~」は凄まじく良い映画だったので、全然満足出来ました。
あー良かった。
でこの曲を再認識した作品である「パッチギ!」を思い出したんです。
この映画、知らない人は全然知らないかもしれませんが、公開当時はなかなか世間がざわつきました。
僕も実際に観るまでは無意識に色眼鏡で捉えてしまっていたのですが、とあるCG監督の友人から超プッシュされたので、彼が勧めるのなら観てみようと思い劇場に足を運んだのです。
でむさむさ良かったんです、この映画。
この作品を見てから井筒監督を単なる酔っ払いのおっさん(失礼!)と思っていた事を猛省し、その他の監督作品も多く観る事となりました。
劇場で泣かされましたが、その感動を呼び起こす上で大きな役割を担っていたのが音楽でして、「悲しくてやりきれない」が絶妙な使い方されてるんですよね。
オダギリジョーが歌う「悲しくてやりきれない」
オダギリジョーさんはイイ意味で本当にズルい俳優さんですね。
見た目カッコいいし歌までこなすし、演技も個性的。
ついでに嫁さんも綺麗。
彼が演じている劇中のキャラクタ、実はモデルがいましてかのTHE ALFEE坂崎幸之助さんです。
この辺りの詳細は特典ディスクのメイキングに詳しいのですが、そういった背景もあって役名も「坂崎」ですし、劇中は塩谷瞬さん演じる主人公・康介にギターを教え、世界には様々な価値観がある事を示唆してくれる、兄貴的存在として描かれます。
カッコイイですわー。
物語は、在日朝鮮人女子と、ヘタレで音楽に目覚めたばかりの日本人男子との恋愛を軸に、在日朝鮮人高校生vs日本人高校生の喧嘩、朝鮮を取り巻く色々の課題や問題、など多くの要素を取り扱っています。
セリフの内容が問題アリとして、TVCMが放送中止になったりもしたそうです。
それ程に在日朝鮮人という歴史的な経緯がまだまだ日本ではデリケイトなのだと知りました。
がこの作品はそういった色々の軋轢の中で、若者らしい不器用で直線的な気持ちを描いた、素晴らしい作品でした。
井筒監督やるじゃん!
誤解してたごめん!
僕自身は、娯楽作品としてこの作品を絶賛したいですね。
単純にむっさ面白いですし、涙も流れました。
本作、色眼鏡で敬遠するには勿体ないですよ。
最後に
井筒監督の作品は、この「パッチギ!」が一番好きです。
他にもイイのがあるんですが、ちょっと桁違いですね。
個性の強い役者さんも多数出演されているので、未見の方は是非。■■
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