公開2日目に観てきました。
例によってエキスポシティのIMAXです。
今回はIMAX3Dですね。
もうね、あの巨大スクリーンを知ってしまうと、迫力のある映像が予想される映画はこの劇場でしか観る気しなくなってくるんですよね。
2009年に見事な手法でリブートに成功したシリーズの最新作にして3作目です。
さてシリーズの一旦の完結となる本作はいかな出来栄えだったんでしょうか。
公開から全然日が経っていませんがネタバレ全開、物語のオチに触れる事も気にせず書きますので、ご覧になるご予定の方は自己責任でお読みくださいませ。
基本情報
『スター・トレック BEYOND』(スター・トレック ビヨンド、原題: Star Trek Beyond)は、2016年にアメリカ合衆国で公開されたSF映画である。監督はジャスティン・リン、主演はクリス・パインが務める。本作は映画『スタートレック』の第13作に当たり、「ケルヴィン・タイムライン」シリーズの第3作でもある。2016年6月19日、映画公開を目前に控え「ケルヴィン・タイムライン」シリーズに出演したアントン・イェルチンが亡くなっており、本作は彼の死去後に公開された。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
感想
僕は、TNG(The Next Generation)のシリーズからスター・トレックにハマったクチです。
もう毎週毎週、地上波での深夜放送を超楽しみにしていた大学生でした。
一番好きなシリーズはヴォイジャーです。
1stのTVシリーズは世代的にカブっていなかったので、ほっとんど見ていません。
映画の全作ブルーレイBOXは買いましたけども。
そんな程度にはスター・トレックが好きな僕は、2009年版のリブート「スター・トレック」をどう観たのか。
大感激、です。
2009年版からのリブート・シリーズ
シナリオの完成度があまりに高過ぎて、何度も唸らされました。
リブートという事はこれまでのシリーズが連綿と受け継いできた惑星連邦の歴史や設定、事件、などを一式クリアにするワケです。
その損失たるやいかに大きいかと想像していました。
が、J.J.監督の想像力はイイ意味でぶっ飛んでいました。
リブートとはいいつつも、これまでの総ての設定を捨てるのではなく、別の世界線、別の時空軸、という大胆な方法で、これまでの総てを並行世界として生き残らせる方法を取ったのでした。
こんな方法は残されていたとは。
つーか、スター・トレックの物語の中ではむしろ幾度となく語られてきた系のエピソードです。
ただし、作品全体をまるっと包み込むような事は今までなかった。
そこが、J.J.監督の素晴らしさであり不敵さでもあったんですよね。
2009年版「スター・トレック」において、元時間軸(これまでのスター・トレック世界全部)の未来からバルカン人に復讐する為に過去にタイムリープしてきたロミュラン人・ネロによって時間軸が分岐、この新シリーズはその分岐した側だ(いわゆる「ケルヴィン・タイムライン」)、という設定です。
SF来たー!サイエンス来ったー!!
この時点で鳥肌立ちまくりだったんです。
平行世界ですから殆どの出来事や事象は分岐前の世界と概ね似ている。
ただし、タイムリープして来た異時空のキャラクタによって少しずつ世界が変わっている。
こうする事で、全く新しい設定や事件を起こす必然性を獲得しておきながら、旧作のファンが喜ぶようなしかけやキャラクタを再度登場させる事も可能となりました。
J.J.天才かよ。
続編の2013年公開「スター・トレック イントゥ・ダークネス」もJ.J.が監督し、一作目を超える凄まじいSFエンタメを作り上げてしまいました。
あの「カーン」をベネディクト・カンバーバッチが怪演しています。
とにかくこの2作品は最高でした。
最っ高でした。
なんで過去2作品の事をこんなにも書くのか。
うすうすお気づきかと思いますが書きましょうかね、そろそろ。
シリーズ締め括りの3作目
まあ続くにせよ何にせよ、一旦決着をつける役割があるのが3作目です。
あまりに素晴らしい出来栄えだった前2作を超えられるのか?という問いに対して用意された答えは「今作はジャステン・リンが監督する」です。

ジャステン監督といえばどんな監督がご存知でしょうか。
過去のフィルモグラフィはこんな感じです。
Better Luck Tomorrow(2002年)
アナポリス 青春の誓い(2006年)
ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT(2006年)
阿呆遊戯 ブルース・リーを探せ!?(2007年)
ワイルド・スピード MAX(2009年)
ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年)
ワイルド・スピード EURO MISSION(2013年)
ワイルド・スピードでぶいぶいいわせて来た系監督、って事は一目瞭然ですね。
ワイルド・スピードは全7作品公開されていますが、ジャスティン監督が最後に監督した第6作品目にあたる「ワイルド・スピード EURO MISSION」は、シリーズ最高の6億8268万$(全世界興行収入)を稼ぎ出しています。
しかしワイルド・スピード・シリーズは馬鹿映画です。
あ、誤解しないでくださいよ、馬鹿映画は出演者や監督が馬鹿な映画、という意味では決してありませんNEVER。
シナリオの内容が馬鹿だという意味でさえありません。
端的に表現するなら「強さ(orその他の能力)に理由がない」というスタンスの作品だという事です。
厳密には理由はあるのですが、その理由が「そんなんいい方じゃん」とか「それいい出したらナンでもアリやん」とかいえちゃう系のヤツです(ドラゴンボールは物凄く良く出来た馬鹿漫画ですね)。
そして結果は想像した通りでした。
スター・トレックが馬鹿映画になっていた!
正直いって全2作品は超えていませんでした。
総毛立つようなSF的ご都合主義(褒め言葉)を豪快にブン回してくれたJ.J.に比べて、映像の豪快さで乗り切ってしまった事が主な理由です。
映像はバビる程カッコイイ、と思いました。
冒頭に書きましたが、僕はIMAX3Dで観たワケです。
もう、ものすげー迫力と美しさでした。
このスクリーンで観る作品としては申し分なかったといえるでしょう。
しかし、それはIMAX3Dの手柄では?ともいえます、いやいいます!
肝心の映画作品としての魅力は、残念ながらキャストや全2作が紡ぎ上げた慣性によるものが殆どで、目新しさやアっと驚くシナリオ的仕掛けはなかったんですよねえ。
期待し過ぎました!
作品の出来栄えは、より大衆的になりよりエンタメ的になり、劇場で観た事に不満を感じさせない作りになっています。
決してツマラナくはないです。
もしも前2作品を劇場で観たのなら、当然今作を劇場で観るべきだと思います。
ただし馬鹿映画ですからね。
その事だけは肝に銘じておいてくださいよ、後から文句いったって知らないんだからね!もう!
とりま馬鹿なトコロを挙げて置きましょうかね。
01.新キャラ「ジェイラ」の存在

今作はUSSエンタープライズ号が冒頭の戦闘で、いきなり全壊してバッラバラになります。
もう修理とかいうレベルを遥かに飛び越えて行ってしまいます。
で脱出ポッドで散り散りになったクルー達がそれぞれバディとなり、各バディ毎に違った困難に巻き込まれながらも終結する為に悪戦苦闘する様が描かれるんですね。
まあソレはいいんです。
でUSSエンタープライズの機関部長であるスコッティ(演じるサイモン・ペッグは本作の脚本を共作)だけ、現地で知り合った未知の異星人とバディを組みます。
それが「ジェイナ」です。
最終的にこのジェイナは終結したクルー達と共に、フランクリン号を飛ばし、むっさ協力的に行動します。
が、特に理由がないwww。
おまけに素性も全然放ったらかしのまま、ラストにはカークから惑星連邦にスカウトされる始末。
マジか!?そんなんでええんか!?
02.ラスボス「クラール」の特殊メイク凝り過ぎ
これは役者に全く責任がありません。
つーかむしろ、役者イドリス・エルバは最高です。
覚えていますか。「マイティ・ソー(2011)」では金ピカの甲冑を着ていたこっわい門番。
「パシフィック・リム(2013)」では玄田哲章が声を当てた黒人長官。
そう、あの味わいありまくりの俳優です。


むっさかっこいおっさんなんですよね。
なんつーか、気難しい表情で硬く口を閉ざしてはいても、背中が語るっつーか、目が語りかけてくるっつーか、存在感そのものがそのキャラクタを表現している感じっつの?
玄田哲章の声が正に似合う、深みのある俳優なんです。
僕は大好きです。
そんな彼が演じた、今作のキャラクタがこれ!

お前誰やし!
ネタバレしまけどクラールは元々地球人なんですね。
過去に惑星連邦に所属していた、伝説の英雄です。
惑星連邦に見捨てられたと思いこみ復讐の鬼となって特殊な方法で寿命を永らえているという設定なので、顔が見えちゃマズいってのは判るんですが、何もここまで覆い隠さなくったって……。
03.任務に対する疑問がいつの間にか払拭
前作にもセリフとして登場していますが、今作のUSSエンタープライズは5年に渡る長期任務の最中です。
折り返しの2年半目くらいのタイミングに、超巨大宇宙ステーション「ヨークタウン」に補給目的で立ち寄るところから物語は始まります。
この時艦長であるカークは永い期間宇宙船で過ごし、同じクルー達と一緒に任務をこなす事に疑問を感じ始めているんですね。
大きいとはいえ同じ宇宙船にカンヅメで、クルー達のロマンスや痴話喧嘩などを2年半も見てきたら、まあ疲れるんでしょうね。
カルーく鬱が出ている感じ。
そしてヨークタウンに寄った時に、ちゃっかり提督代理のポストを希望している事を提督に上申してしまいます。
むっさ調子いいヤツです。
前2作品で、スポックやその他クルー達とあんなにも信頼し合っていたのに、内緒で転属願いを出しちゃう。
まあそれは良しとして。
なんだかんだあって、クラールの野望も打破し、豪快にぶっ壊れたUSSエンタープライズも再建造された後、ヨークタウンを救った功績が認められて提督代理は確定した旨を聴かされた時、なんとあっさりと断るのです。
「提督代理は飛びませんか?飛ばないのだとしたら、こういってはなんなんですけども……、つまんなんくね?」
お前勢いで行動し過ぎやろwww
今回のエピソードを経て、カークはよりクルーとの繋がり、絆を意識する事が出来たって事なんでしょうね、きっとね。
でもなー。
別にそんな感じでもなかったんよなあ……。
それよりむしろ、前2作品での絆があったのに転属を考えちゃうくらい、飛ぶのが嫌やったんやなあって事の方が、デカいんですけど!
04.最終攻撃はビースティ・ボーイズ

まるでイナゴの大群のように、集団で編隊を組んで神風アタックしまくりの軍勢に対して打つ手なしか!?という場面。
実際、この神風アタックの応酬でUSSエンタープライズはボロカスに破壊されました。
しかしそれらのレギオン的行動は、起点となるいくらかの戦闘機を軸にして常に交信し、まるで集合意識のような形で自在に活動していた事が分かります。
なんとなくソレっぽいよね。
ボーグの例もありますから、集合体、集合意識ってのはいかにもスター・トレック的で悪くありません。
そんな敵機に対して、交信に使われている周波数を特定する事に成功した惑星連邦ご一行は、かつてのクラールが残した宇宙船に残されていた音楽再生機(ま、プレイヤーですね)を使って、その周波数で音楽(爆音)をかけるという作戦に出ます!
劇中では「クラシック音楽」と表現されるその曲は、ビースティ・ボーイズの大ヒット曲「Sabotage」!
熱気バサラかよ!
本気でヤってしまいました。
「俺の歌をきけええええ!!!!」と心の中で叫んでしまったのは、僕だけではありますまい。
05.USSエンタープライズ壊し過ぎ

最後はこれです。
これまで何度も書きましたが、まーとにかく無茶苦茶に壊されます。
しかも物語のかなり序盤で。
これがまた、部分部分をジワジワと分解していく感じで、ヤラシイ感じで壊すんですよねー。
まず最初にワープナセルが左右とも胴体から分離されてしまいます。
もうどうにもならん感パネーです。
両翼をもがれた鷲のようなもの。
しかもこの後、残った胴体と円盤部さえもバラバラにされます。
粉微塵一歩手前くらい?
とにかくこれまで観た事のある、どのエンタープライズよりも徹底的に破壊される感じ。
正直、ちょっと笑えるレベル。
これはインパクトとしては狙いが判りやすいと思います。
クルーを分断して、それぞれの活躍を描く上で、エンタープライズは邪魔な存在となったんでしょう。
ヤるなら徹底的にヤるという思想は嫌いじゃありません。
ただ。
ケルヴィン・タイムラインでのエンタープライズは、まーまー壊されがちなんですよねー。
前2作でも、まーまーヒくレベルで破壊されていました。
これはイントゥ・ダークネスでのエンタープライズ。

形状こそ保っているものの、結構なレベルでヤられてるでしょ。
墜落が目に見えるでしょ。
屈強な浮沈艦としてこれまで描かれているとか、超強力な戦艦として敵艦をバカスカ撃沈させている印象付けがあったんなら、今作のように徹底的に壊すのもギャップとしてアリだと思うんですよ。
でもしょっちゅう壊されてる感さえあるんですよね。
エンタープライズ……弱くね?
一応、スタート・レックのファンのハシクレですから、USSエンタープライズ号は大好きです。
大好物です。
であるが故に、むっちゃクチャに破壊されるのをこう何度も見せられるのが辛くて辛くて……。
最後に
ここまで書いておいてなんですが、ちゃんと面白いです。
映像豪華だし。
あと映像豪華って事に加えて、敢えていっておくと映像が豪華だったりもします。
あ、もうイイですかそうですか。
さて実は続きの第4作目の制作は既に発表され、主役級俳優の契約も締結済だそうです。
そっかー続くのかー。
次回作は誰が監督するのかなー。
J.J.はスター・ウォーズで忙しいんだってさー。
ぷーん。
でも公開されたら、どうせ僕はまた劇場行っちゃうんですよねー。
ファンてのはそういうもんです。
最後にひとつだけいえる事は、僕は大いに楽しんだという事です。
これは間違いありませんし映像は豪華ですよ!もう!■■
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