今日はあっさりと寝てしまう予定でした。アルコールが入り程よく眠気に包まれつつあったので、気持ちよく眠れるはずでした。ただ、何気なく手にとってしまった沙村広明作「ブラッドハーレーの馬車」が大きく予定を狂わせてくれました。
基本情報
感想
僕は日頃あまり漫画を読まないし買いません。昔はJOJOを買い集めたりしていたのですが、今では沙村広明と二瓶勉と山本直樹とBL(←w)しか読まなくなったし買わなくなりました。彼等の作品は迷い無く買います。この「ブラッドハーレーの馬車」もたまたま書店で見つけて即買いでした。
残酷さにページをめくる手が震える
しかしやってくれます、この作品。「人でなしの恋」で沙村広明の暗部に判りやすく触れることが出来たわけですがこの漫画はつまり同じ方向でした。帯にも書かれている通り、あまりに残酷な運命を辿る少女達の短編読み切りです。
これがもう、ものすげー残酷で過酷なのです。
描写自体はえげつなくグロいということはないのですが、話はどこを切っても微塵の救いさえないブラック金太郎飴です。読んでて辛い辛い。
ただ、作者のドラマの作り方がめえさめさ巧いので読まされてしまいます。嗚呼辛い……。とある舞台設定を装置として機能させ、殆ど関連性の無い主人公達の過酷なドラマを繋いでいく群像劇とでも言いましょうか。
構成の妙に唸らされる
沙村漫画は絵の巧さはもちろんの事、その構成の巧さが大きな魅力だと思います。よくもまあ、こんな設定を作り上げたものです。壮絶とさえ表現出来る程に内容はダークなので、相当に体力を必要とします。もうグッタリです。
この作品は、「無限の住人」の沙村広明だけを期待して触れると超弩級のシッペ返しを喰らうので注意が必要です。本気で気分が悪くなるかも。本気で怖くなるかも。誰にでも勧められるかというと絶対に無理です。特に女性にはとても勧められません。
ちなみに僕も体力を大きく削られたクチですが、この作品を絶賛します。読んで良かった。あえて一切物語の内容には触れませんでしたが、タイトルで検索したらいくらでもレビューが出てくるのでまあいいでしょう。ただしどのレビューからも、恐らくこの作品の圧力は想像できませんけどね。
最後に
でもまあ、気持ちよく眠って、明日読んでも良かったかな、とは思います。■■
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