我々のような昭和世代おじに共通する経験として、「ガンプラにハマる」というルートがあります。
再放送で人気に火が付いた「機動戦士ガンダム」のプラモデルを買いに走る事は、当時の殆どの男児達に共通する想い出です。
当然僕も、なけなしの小遣いを握りしめて模型店に向かい、しかし買えずに撃沈して帰宅したものでしたが、中学から高校に上がる頃にはすっかりプラモデルは触らなくなっていました。
他にも面白いあれこれが存在している事を知ったからですが、何かしら描いたり創ったりは続けてきた人生だったので、視界の端っこでは常にプラモデルを認識していたものです。
そうして時は流れてコロナ禍、遂にプラモデル趣味が再燃します。
スプレー塗装で大人を実感する
たまたまプレゼントでもらったガンプラを久しぶりに素組みしてみたところ、やはり楽しかったんですね。
そこから少し発展してタミヤのスプレー缶を買い集め、自宅のベランダに段ボール箱で作った塗装ブースの中でスプレー塗装をたしなむ程度にはなっていたんです。
そうしていくつかのプラモデルを完成させました。今みると稚拙で恥ずかしい作品ですが、まあ楽しんでせっせと作っては塗っていたわけです。



この時に感じた一番の灌漑は「嗚呼自分はなんて大人げある行動が出来るようになったのか」というものでした。
つまり、子どもの頃は塗料や接着剤が乾くのを待つ事が出来ず、結果早すぎるタイミングでいじってしまい作品が壊れるという状態は頻発していたのに対し、大人の自分は適度な作業で翌日に持ち越す余裕を持てたという点です。
結果的に、仕上がりはかなり良くなりました。大事なのは「待つ事」だったとは、なんともとんちが効いています。そうする中で、色々の道具が驚くほど進化している事も知り、手軽なものを少しずつ買い集め初めていました。
この頃の制作環境はこんな感じでした。ささやかな楽しみといった風合いで悪くないでしょ。もう筆塗りなんか一切目に入りません。缶スプレー塗装が楽しくて楽しくたまらない48歳の夏でした。


プラモ奥義伝承が扉を開いた
そんな楽しみを謳歌していた中年は、たまたまyoutubeで「吉本プラモデル部」というチャンネルを見つけてしまいます。
そしてそのチャンネル内で、レシプロ機の素晴らしさを伝導する動画がアップロードされていたのでした。それがコレです。
僕は非常に単純な男なので、この動画を何度も繰り返し見て、すっかりレシプロ機脳になってしまいました。そして次なる野望が、エアブラシ塗装に向かったのはあまりに自然だった訳です。
エアブラシのセット、そしていくつかの棚やテーブルなどの環境、などなどを揃えてざっと10万円程度でした。でもこの環境があれば向こう10年だって制作出来るのだと思えば、全然高い出費だとは思いませんでしたし、何よりプラモデルそのものが安いんです。
かなり高い物でも、1万円以下で買えるのが殆どです。
中年の趣味ってもっとお金かかりますよね、ゴルフとかお酒とか車とか。基本的な道具と環境の為に初期投資は必要ですが、あとは地味な改善と安いプラモデルの追加で充分成り立つ趣味なのですジャジャーン。
こうして僕のプラモデル趣味は遂に、ただしく始まったわけです。■■
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