2018年に劇場で観た全映画の感想を書いてみた

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今年ももうあと僅か。

一年を振り返る、などという事をついついやってしまう程に僕も歳をとった。

若い頃には振り返りなどしなかったものだ。

しかし僕らしいのは、あくまでエンタメを振り返る程度の事しか振り返ろうとしない点だろうか。

というわけで、今年2018年に劇場で観た映画の感想をざっくり書いてみようと思う。

数えてみたら合計で32本だった。

と言うことは、単純計算で、2.6本/月くらいのペースである。

サラリーマンやりながらまあまあ観てる方だよね。

ルールとしてソフトやネットで観たものは省いた。

■01月

01.キングスマン:ゴールデン:サークル

前作「キングスマン」があまりに面白かったので観る事にした。

マシュー・ボーン監督は「キック・アス」が最高だったから、今後追いかけるぞと決めたのだった。

が、正直今作はイマイチだった、いやかなり良くなかった。

前作で良かった部分がごっそり失われた感覚。

残念だったなあ。

02.ダークタワー

スティーヴン・キング原作の連作を元にした実写映画化。

ガンスリンガーが世界を守っている話でファンタジーとスチーム・パンクが入り混じったような世界観に期待して観に行った。

ガン・アクションはかなり良かったが、それ以外は凡庸だったな。

コンパクトにまとまりすぎた印象。

まあ予算の範囲内でベストを尽くしたのかもしれない。

元ネタがあまりに壮大過ぎたんだと思う。

■02月

03.グレイテスト・ショーマン

世間ではかなり高評価だった作品。

僕はヒュー・ジャックマンを観たくて劇場に出向いた。冒頭のダンスと歌のシーンから、いきなりハートをわしづかみにしてくれる。

実際、劇中で使われている歌もダンスも最高だった。

素晴らしい。

しかし一方、シナリオは超雑で残念だった。

物語性を求めてはいけない作品だったんだな。

■03月

04.ブラックパンサー

MARVELシリーズにおけるサブ・キャラのスピン・オフ作品。

かなり地味なキャラクタなので1人立ちなんかさせて大丈夫か?と不安だったけど、なかなか良かった。

ワカンダ王国の、変にハンドメイドだけど最先端、という不思議な雰囲気も独特だったし、登場する秘密の技術装備も楽しかった。

結局はアベンジャーズ・シリーズを追いかけるつもりなら観ておくべき周辺作品の一つなので、ファンなら観ておくといいよ、程度の域は越えないかな。

05.シェイプ・オブ・ウォーター

我らがギレルモ・デル・トロ監督が描く恋愛映画だ。

恋愛映画というカテゴライズで間違いないのだが、言葉の印象だけで観始めると痛い目を見る。

簡単に言うと、聴こえず喋る事が出来ない女性と人外の逃避行悲恋もの、だろうか。

人外というのはこれも簡単に言えば「半魚人」だ。半魚人を愛せるか、という暗なるテーマも隠されてはいるが、少なくともギレルモ監督の視線は「愛は無限である」と思い切り振り切っているように感じる。

そしてそれはあきらかに気持ち悪い発想だ。

そして僕はこの気持ち悪さが大好きで愛おしいとさえ感じているという事だけはお知らせしておこうと思う。

暴力描写、自慰描写、性交描写など、まったく手を抜かないスタンスもあっぱれだと思う。

06.リメンバー・ミー

ピクサーが制作した3DCGアニメーション作品。

中南米らしき世界を舞台にした、生ける者と死者の世界を股にかけた、家族と愛情の物語。

見どころはシナリオの完成度と、死者の世界のディテール、だろう。

トイ・ストーリーやインサイド・ヘッドなど、ピクサーが生み出す世界観はとにかくよく出来ていて、その世界の紹介パートだけでもかなり楽しめるケースが多い。

死者は死者の世界であたかも生きているかのうように過ごしていて、しかし、死者である自分の事を、「現世に生きている人が誰も思い出さなくなった時」に死者の世界からも消え去る「無」という真の死が待っている、といった設定はインパクトがあった。

しかしあくまで子供にも向けられた作品である性質上、無常観溢れるこの設定が深く掘り下げられる事がなかったのは、ほんのり残念だった。

07.映画プリキュア スーパースターズ!

これはこれで許して!プリキュアが好きなんだよね僕。

というか意外と最近のプリキュアは妙齢男性のファンが多いと聴く。

事実、現在のシリーズを今年の2月から毎週観続けている僕は、その豊かな物語性やメッセージ性にいたく感動する事しばしば、なのだ。

と偉そうに言っても第一話からリアルタイムで見始めたのは今シリーズ「HUGっと!プリキュア」が初めてだ。

それまでは「戦闘シーンがやべえよ」とか「マジ泣ける」的な評価を半ば冷笑しながら聞いていたものだったが、見始めたらとんでもなく面白かったのだ。

そしてもちろんながら映画も最高だった。

がまあなんというか、これは冷静な判断ではないと自覚している。

だから特に好きでもない人に勧めるつもりはないという事だけ、最後に伝えておこうと思う。

言い訳がましいかな。

■04月

08.パシフィック・リム2:アップライジング

これも前作がドえらく面白かったものだから、迷う事なく劇場に向かった。

がしかしかなり残念な作品だった。

もし前作を観たあなたが続編に同じ感動を求めてこの続編に手を伸ばそうとするなら、やめておいた方が良い。

この作品について言える事はそれだけだな。

09.レディ・プレイヤー1

お金をかけてオタク映画を創ったらこうなった、ってやつだ。

原作はアメコミだがこの作品にスピルバーグを当て込んだ采配はグッジョブだ。

原作になかった映画オタクへの味わいまで追加されて、クッソ最高な爆裂エンタメに仕上がっていた。

仕事柄、この作品に登場するゲームデザイナに強烈なシンパシーを感じてしまうのは仕方がないのだ。

勝手に自分を重ねて「これは自分の物語だ」などと青い思い込みを持つ事ももはやなくなったが、こんなに楽しい時間を過ごせたのは随分久しぶりだぜ、なーんて思えたんだ。

男は全員無条件で見ろ、女は頑張ってみて。

10.君の名前で僕を呼んで

イタリアあたりのおされなヨーロッパの避暑地で展開する、一夏の淡い恋の物語だ。

裕福な家庭が別荘地で過ごす時間。

やけに青い空。

結ばれない恋愛を追体験する。

起こる出来事は実に少ないのがこの物語の特徴だ。

とにかく出来事は起こらない。

しかし惹かれ合う二人にとって重要なのは出来事ではなく、瞬間だった、みてーな!

繊細に描かれた感情の微差、そのきめ細やかさを感じる事が出来ると、この作品は突然輝き出す。

まるで息を止めて観るように、丁寧に刮目して欲しい。

男同士の恋愛の物語。

11.アヴェンジャーズ/インフィニティ・ウォー

ブラックパンサーを観たのは、この作品の準備運動だった。

全くもってまっとうな準備だ。

遂にサノスとの対決を観れるのだから、準備は万全に施さなくてはねMARVELを追いかけると決めたのは、シネマティック・ユニバースが生まれるずっと前だった。

Uncanny X-Menの洗礼を受けて以来だ。

もうどうやったって観るしかないのだ。

物語は明らかなバッドエンドで幕を閉じた。

続編ありきの作品なので、扇情的な展開のまま放り投げる形で終わっている。

この作品を観て、続編を観ずに居られる人がどれだけいるのか、いや居まい。

正直続きの事は概ね知っているが僕は劇場に行くしかない。

好きとか嫌いとか、良かったとか良くなかったとか、そういう存在ではなくなってしまっている。

最高でした。

■05月

12.ランペイジ 巨獣大乱闘

この作品の原作が、かつて海外でリリースされたアーケード・ゲームだと知っているだろうか。

まあ原作と言えば原作だが、あまり関係ない。

荒唐無稽で全力投球の馬鹿映画だ。

念の為断っていくが、これは明らかに褒め言葉だ。

巨大な猛獣が暴れまわって街中を破壊しまくり、殴り合うシーンを観たいなら、ポップコーンとコーラを持って、頭の中をカラッポにしてから是非。

13.のみとり侍

あまりに観る作品がなく、しかし劇場に来てしまった時に発作的に観てしまった作品だ。

観なくて良い作品だった。

良い部分を絞り出す事も難しい。

時間を返して欲しいものだ。

いやそれは言い過ぎたか、ごめんごめん、ソコまで言っていってのは邦画「デビルマン」の領域まで達した時だったな(←)。

■06月

14.デッドプール2

これもMARVELだ。

MARVELのコメディ担当がデップで、その続編である。

デップに関するネタ元やパロディ、ギャグの説明をするなんて、そんな無粋な事はあるまい。

下品なギャグは瞬発力だけでいいと思うんだな。

前作は、小品ながらパンチのキいた下品ギャグ満載で多いに笑わされた。

で今作はどうだったのかと言えば、質としてはやや薄らいだ部分もある。

というのも、物語に対する下心をついつい監督が見せてしまった部分が、結果的に作品の方向性をブレさせてしまった感があるのだ。

振り切ったバカさ加減を期待していた僕は、やや減点してしまう事となった。

が、馬鹿馬鹿しさがより突き抜けた部分もあったりして、まあプラスマイナスでややプラス、という着地かな。

もちろん今後もついていくぞ。

15.カメラを止めるな!

すっかり有名になってしまったこの作品を、僕はそこそこ早い段階で劇場で観た。

いわゆる劇中劇が展開する二重構造になっている物語で、言ってみれば「二度始まる物語」といった感じか。

シナリオの入れ子構造そのものは上手く成立していて、しかし観た事がない程のインパクトがあるかと言えばそうでもなく、「なるほどこの系統ね」なんて偉そうな感想を持ったりもした。

ただ、この作品はシナリオ構成そのものの評価だけで語るべきではないと思う。

キャスト、セリフ、演技、が僕的には一番気に入ったのだ。

主人公である現場ディレクタの「っっっっっっっわっっっっっっっかりましたぁ!」と言わざるを得ないシチュエーションと、その時の彼の心理描写は、「解ってる」感が凄まじいと思うんだ。

観てない人は、ソフトでもストリーミングでもいいから、最後まで観たらいいと思う。

絶対楽しめるから。

16.ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

事前情報やトレーラーを一切仕入れる事なく、まっさらの感覚で、全くなにも知らない状態で観なくてはならない作品、というものが存在する。

それがスター・ウォーズのシリーズだ。

言うまでもなく僕などはギリッギリ1stの世代で、全てのスター・ウォーズ・シリーズ映画を、劇場で観て来た。

言うなれば、映画を好きになったきっかけでもあるので、死ぬ迄もうこの呪いから逃れる事は出来ない。

で本作はどうだったのかと言えば、色々中途半端な印象が目立ったように思う。

ソロの前日譚として期待していた気持ちは、60%程度しか満足させてもらえなかった、みてーな。

観てなくても本筋には影響ないから、信者でなかったらスルーでいいと思うよ。

■07月

17.ジュラシック・ワールド/炎の王国

これもシリーズ化して久しい、興行成績上位常連作品だ。

前作からシリーズとしてリブートしており、珍しく主人公が2作連続で共通している。

超売れっ子クリス・プラットが今作もいい味を出している。

映像的なインパクトやアクションシーンの構成は流石にスキがなく、料金以上のハイ・クオリティ映像を見せてもらえた気がする。

細かい事を気にせず観れる大娯楽作品でもあるから、シリーズ未見の人でも全然楽しめるよ。

ただ物語の最後、実は主人公たちはあるとんでもない行為を実行してしまうのだけど、これは随分と思い切った展開だと思った。

次回作の展開に不安を覚える程の選択をしてしまうのだ。

続きが気になっている。

■08月

18.インクレディブル・ファミリー

ピクサーの映画「Mr.インクレディブル」の続編だ。

本当に前作のラスト直後、から物語は始まる。

つまり前作を観ている事が前提の仕立てになっている。

前作は、ピクサー初の「人間が主人公」の映画で、野心的な作品でもあった事を覚えている。

さて今作は端的言って、「前作と全く同じ内容を、お父さんではなくお母さんで再現」した内容だ。

本当に見事に何から何まで同じ構造、同じ展開、だった。

これはマイナス要素の側面がありつつも、ある意味鉄板対応とも言えるので、随分と期間の空いた続編だった事を思うと、まあ「アリ」の選択だったのかもしれないな。

僕としては、期待はずれだったけども。

19.アントマン&ワスプ

本当に今年は続編ばかり観ていたような気になってくるが、これも前作「アントマン」のシリーズ2作目だ。

時系列で言えば、「アントマン」公開後に「キャプテン・アメリカ シビル・ウォー」にもアントマンは登場しており、その続きという事になっている。

日本では全然知名度が低かったこのヒーローを、ちゃんと継続的に映画化してくれるMARVELの懐の深さに感激するばかりだ。

しかも本作で、遂にワスプまで登場するなんて。

あまりご存知ないかもしれないが、アントマンもワスプもアメコミ原作での初代アベンジャーズ創設メンバーだった。

創り手の「想い」を感じる。

デップと同じく、アントマン・シリーズもMARVELシネマティック・ユニバースにおいては「お笑い担当」である。

作品全体が、笑いでコーティングされていて、今作もそのテイストは守られていた。

これ、地味だと思われるかもしれないけど面白いんだよー。

人に勧めたいヒーロー映画だ。

■09月

20.MEG ザ・モンスター

サメ映画。

この言葉が持つ、不穏でありながら心の裏側をくすぐる不思議な魅力を知ってしまったあなたなら、この映画は観ておいたほうがいいと思う。

なんと言ってもジェイソン・ステイサム出演だぜ。

詳細はいつかの日記で書いた。

素晴らしきかな馬鹿映画。

これも、ポップ・コーンとコーラを持って観るの必須な。

21.ザ・プレデター

シリーズもの、であるがそれぞれの作品間での繋がりが比較的薄いものが多い。

これまでのプレデター・シリーズは、一作目を超える事は出来ていなかった。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演の、戦争映画かと思ったら宇宙人映画だった、という「フロム・ダスク・ティル・ドーン現象(今思いついた)」を表現した作品だったが、その後の作品はどうもイマイチ突き抜け感が足りないものばかりだった。

が、今作はなかなか良かった。

ちゃんと続編も作れそうな設定や人物配置も出来ているし、ラストのトンデモ展開、というかトンデモ兵器登場によって、俄然続編に対する期待と不安が拡大した。

つーか、アベンジャーズに合流するくらいの展開してもいいかもよ、なんて思う。

過去シリーズ観てなくても全然楽しめるよ。

22.死霊館のシスター

はい、これもシリーズ物。

ただ死霊館シリーズはそこまで入れ込んで大好きだったわけでもない。

たまたま時間が出来て劇場に来たが観たいものがあまりない、という時のチョイスだったのだ。

そういう遭遇の仕方をしてもたまたま素晴らしい出会いになる事もあったりするから、無条件にそういう機会を回避したりはしない。

が、今回は失敗だった。

全編を通して描かれるのは、物語的展開が極めて遅い「ビックリ演出」の連続に過ぎず、その恐怖演出もかなり平易というか単なる音と映像のコントラストにによる「脅かし」しかないので、途中から飽き飽きしてしまった。

そういうの好きな方はどうぞ。

23.クワイエット・プレイス

この作品は素晴らしいが故に多くを語りたくない系なのだ。

恐怖も描かれるがテーマそのものは家族の物語である。

最高なので是非観て欲しい。

ちなみにSF的な観点から言えばツッコミどころ満載ではあるが、そこを理由に見過ごすにはあまりに勿体無いと思うんだ。

■10月

24.search/サーチ

小品ながら気になっていたので劇場に向かった。

中島監督の「渇き」という映画作品があったが、ちょっと似た構造を持った物語で、娘の失踪をきっかけに娘のPCに手がかりを求めた父親が、SNSを通じて自分が知らなかった娘や娘の交友関係を紐解いていくという話だ。

そして野心的なのは、この映画の全てはデスクトップの画面のみで展開するという演出にある。

主人公の父親も、webカメラで写っているに過ぎない。

劇場に行くまでもなかったなとは思ったけど、ソフトで観るなら気軽に見れるしコンパクトでお勧めだな。

25.映画HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ!

はい、ごめんなさい、再び。

このシリーズは毎年2月と10月に必ず劇場作品が公開されるのである。

禊みたいなものだ。

ちなみに今年はシリーズが開始して15周年に当たる記念の年で、本作では初代の2人を最新作の5人が活躍するという企画になっていて、なかなか見応えがあった。

基本は子供向けに作られてはいるものの、今さらわざわざ言葉にして言う事はなくなった「当たり前の道徳感や倫理観、正義」といった内容を、少女達が何かと闘いながら自ら見つけていく、感じていく、という物語を追体験する構造になっており、大人が観ても全然刺さる内容になっている、と思う。

いや、お勧めはしないが。

■11月

26.ヴェノム

永年ヴェノム・ファンである僕としては、実写映画でこれ以上のものはないな、と思えた内容と出来栄えだったから大満足である。

昨今のMARVEL映画にしては珍しく、既存シリーズとの関わりも一切ないので、安心して観てもらいたい。

言っておくが、ヴェノムは見た目に反して「めちゃめちゃ可愛い」のだ。

その事に驚くと思うが、多分同意してもらえると思うよ。

27.生きてるだけで、愛

邦画である。

この作品を観に行くと決めた理由は、原作が本谷有希子の作品だったからだ。

彼女の作品の映画で言えば「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」が面白かった事を覚えていたのだ。

この作品は、躁鬱病と過眠症をもつ女性と、週刊誌ライターとして働き詰めの疲れた男の恋愛を軸に、彼等が社会とどんな風に付き合い戦うのかが描かれている。

こう書くとなんだか硬い作品のように思われるかもしれないが、決してそうでもなく、笑えるし泣けるし、走り抜ける爽快感も感じる事が出来る。

地味ではあるが面白いと思った。

菅田将暉という俳優を、大いに見直した。

色々の人に勧めたい。

28.ボヘミアン・ラプソディ

2回観た。

午前中に観て、同じ日の夜に応援上映を観にいった。

2回とも大半を大泣きしながら観ていたので、翌日は目がパンパンに腫れて知人に心配された。

応援上映では遠慮なく大声で大いに歌った。

歌いながら泣いた。

そんな経験は初めてだった。

そういう作品だったな。

29.SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARD

ハイスタのドキュメンタリー映画で、生々しい彼等の歴史が克明に描かれる。

現役のバンドでありながら、11年間の空白期間に何があったのか、その答えがこの作品にある。

ハイスタの音楽を全く知らない状態でも、創作するものの苦悩や友情復活へのドラマなど、心を揺さぶられる事は避けられまい。

彼等の音楽とももに、知らない人にこそ勧めたいと思った。

■12月

30.来る

中島監督の最新作であり、小説「ぼぎわんが来る」の実写映画化である。

中島監督の作品は個性が強く、好き嫌いが大きく分かれるところだろうと想像するが、僕はたまたま好き側の感性を持っていた。

過去作「渇き」「告白」などが好みにあうなら、きっと楽しめると思う。

今作はホラーというジャンル映画ではあるが、僕は終始ニヤニヤしながら観ていた。

つまり「面白い」のである。

ホラー要素、毒親要素、オカルト要素、民俗学的妖怪要素、などなど、僕好みのエンタメ・パーツ満載なのだ。

そして極めつけは「祓い」ものであるという事。

超お勧めしたい。

31.ヘレディタリー/継承

はやりホラー映画だ。

これもまた、素晴らしすぎて多くを語りたくない傑作だ。

恐怖ものという意味で、ここまで高品質な作品は滅多にであるものではない。

よくありがちな、能天気な導入からじわじわと恐怖を混ぜ込んでいく、などといった小癪な演出は一切しない。

のっけから超不穏な演出満開で、恐怖の出し惜しみなど一切なし、頭からしっぽまでぎっしり恐怖満杯である。

またキャスティングも秀逸で、顔面力がとんでもなく高く、「怖い顔」が特殊メイクなどの力を借りずとも、超怖いのである。

ラストに向けての駆け上がっていうような展開も爽快感さえ感じる程で、「怖いのだけはどうにも駄目」という人でない限り、是非とも観て欲しい作品だ。

マジで、これはすごい作品だと思うんだよな。

超お勧め。

32.シュガー・ラッシュ:オンライン

昨日、ギリギリ最後の一本を観て来た。これも続編で、前作「シュガー・ラッシュ」がげっつい素晴らしい内容だったものだから劇場向かった。

匠に構築されたシナリオ展開、伏線の見事な回収っぷりにシビレたものだった。で当然続編たる本作にもそういった要素を期待していたわけである。

結果どうだったのか。

「インターネット・パロディと既存ディズニーIPパロディに終始した子供向けお祭り映画」だった。

超残念。

ただそれしかいう事はない。

最後に

まあ結構観れた一年だったと思う。

アタリばかりではなかったが、ハズレばかりでもなかった。

年末にイイ作品が偏った印象はあったかな。また来年も劇場に出向いていこうと思う。■■

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