日常に潜む危機的状況

会社で脱糞する時に僕は必ずiPhoneを持っていく。あの非生産的で暇な時間をせめて音楽やポッドキャストで彩ろうという目的で。今日も機嫌良くひり出していたのだが途中で気がついてしまった。

 お、紙が無い、ストックは棚にと、、、ないな。

 さてどうしたものかと。直ぐには深刻な気持ちになれずさして焦りもしなかった。でも、落ち着いて考えるとなかなか困ったものである事に気がついた。今日の肛門コンディションと腸内コンディションを鑑みると、このままパンツを履くのは不可能、確実に汚れが付いてしまうからだ。

 ごく稀に両コンディションがバッチリの状態でマッチングした時は、一切の汚れを残すことないアウトプットが出来るのだが、今日は残念ながらそういう日ではなかったのだ。

 チッ……、ツいてない。

まさか手で拭きとってその手を洗うなどという事は絶対にしたくないし参ったな、本気で参ったな。ポケットになんか紙とか入ってなかったっけ、嗚呼そうだレシート突っ込んだ気がするな、いや待てレシートなんかで足りる訳なかろう、今日のコンディションを舐めちゃだめだ。

 この狭い個室には何処をどう探しても有効なアイテムは見つからない。柱を磨いたら突然パカっと三月磨臼が手に入るような場所ではないのだ此処は(feat.デゼニランド)。

 ソコで聡明な僕は気がついた、今自分はインターネットに接続出来る環境である事を。「トイレ 紙がない 対処」でググってみる。まさかこんなワードで検索する機会が自分に訪れようとは思いもしなかった。すると、結構出てくるのだ。何かいいアイデアもきっと在ろう。

  • 乾くまで待つ→そんなに待てないからNG
  • 芯で削ぎとる→残っていないのでNG
  • 普段使わない左手で→左利きなのでNG
  • 取り敢えずズボン履いてから違う個室に移動する→妙案!と膝を打ったが会社には個室が一つなのでNG

 だめだ、後は似たりよったりで斬新かつ実用的なアイデアが見つからない。しかしこのままでは埒が明かないぞさてどうする。靴下?パンツ?いよいよこの2択しかないかと腹をくくりかけた時に僕はまた気がついた。

 iPhoneは電話だった事を。

 社内で仕事に励む男性スタッフの携帯番号をコールし、トイレットペーパーロールを3つ注文した。5秒後に届くトイレットペーパー。

この時程、このペラペラの白い紙を愛おしくそして頼もしく見えた事はない。まあ今後もないかもしれない。トワイライトゾーンは日常の其処此処に潜んでいて、いつ自分に降りかかって来るのかなんて判らないものだなと一人感慨。■■

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