「エンジェル・ウォーズ」を観た感想は『観る価値のあるオナニーだ』だった

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エンジェルウォーズ(原題:Sucker Punch)を観ました。この作品は1960年代の閉鎖的な精神医療施設を舞台に、主人公ベイビードール(エミリー・ブラウニング)の妄想世界と現実をリンクさせながら物語が進むと云う構成で一風変わったシナリオの作品です。

基本情報

エンジェル ウォーズ [Blu-ray]

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『300』のザック・スナイダー監督が放つ、驚愕の異次元バトル・アクション!
目を閉じて、心を開け ―― その世界は、想像すらできない。

始まる ―― 新時代のバトル。

<どこで?WHERE?>
――空想世界。
現実世界のルールなどすべて無視した、何が起こるか予測不可能な世界。

<だれが?WHO?>
――強く美しい5人の少女たち。
愛する者を奪われ、施設に監禁された少女と、そこで出逢った個性豊かな仲間たち。

<なんのために?WHY?>
――つらい現実から逃れ、自らの手で、自由をつかみ取るために。

果たして少女たちは、空想世界を制し、運命を変えることができるのか――?

 妄想世界内では、日本刀や銃を手にした美女戦士チームがサムライロボやスチームパンクドイツ兵ゾンビ、ドラゴンなどと壮絶な戦いを繰り広げるのですが、これが笑ってしまう程に本筋に無関係でして、この構成を使えばストーリーや時代背景などの制約から完全に解放された状態のまま、やりたいように好きな世界観を持ち込めるんですね。

 物語における現実部分はハブ的な機能を担っていて、妄想世界のバリエーションは「主人公の想像世界」という免罪符を得て監督の遊び場と化していました。

 監督のオタク心を恥ずかしげもなくさらけ出して観たいシーンのブレストを実行し、関係性を無視して選び取った「自分達の観たい映像」をビッグバジェットで制作する事を前提に、物語として成立させる必要最低限の設定でコーティングし、映像センスと楽曲の使い方でエンタティメント性のスパイスを効かせたらこうなった、と云う作品です。

映像センス抜群

映像センスは過去作品で証明済のザック・スナイダー監督なので、その部分では全く心配していませんでした。少なくとも僕にとっては大好きな映像だらけでしたね。物語について説明不足な部分も感じられますが、そんな事はどうでもイイと云い切ってしまいたいのです。

 レーダーチャートで云うなら正五角形を目指しているようなコンセプトでは無い事が明らかですし、むしろ部分的に超鋭角的な形を目指しているように感じられます。正に、お金を使ったザック監督の、観る価値のある公開オナニー劇場です!

 これで本国アメリカの興行成績を維持出来るのかと心配になるほどに、日本的オタク成分を盛り込んでいました。(やはりアメリカでの興行成績はかなり悪い結果だったようです)とは云え、やはり元がアメリカ人の感じるものである為、純然たるジャパニーズ・オタク文化の踏襲には至っておらず、僕としてはその部分が小さくまとまる事を避けれてむしろ良かったと思いました。

最後に

この作品、心に残るかと云えばこれがまったくそういう訳でもなく、生涯ランキングにも全然影響無しなのですが、馬鹿映画(褒言葉)として実にまっとうだと感じました。日本アニメの事を語れる友人と、酒の肴にダラダラと喋りたい映画です。■■

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