「スーサイド・スクワッド」を観た感想は『ハーレイクインが総てだ!男は劇場で観ろ!!』だった

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期待している作品はできるだけイイ環境で観たいんです。

「スーサイド・スクワッド」はDCコミックのアメコミが原作ですから、アメコミ・ファンの端くれである僕はギンギンに期待を膨らませておりました。

そういったワケで公開初日、エキスポシティのIMAXに行ってきました。

さて、ネタバレを厭わず書くつもりですから、未見の方がこの先を読むのは自己責任でお願いしますね!

基本情報

映画『スーサイド・スクワッド』オフィシャルサイト
映画『スーサイド・スクワッド』オフィシャルサイト 12.21 ブルーレイ&DVD発売 レンタル同時開始 11.23デジタルセル配信

感想

昨今は、MARVELのシネマティック・ユニバースが盛り上がりまくっていて、アメコミ実写映画のクオリティも凄まじく高いものになってしまいました。

複数の版権が絡み合う関係で、アベンジャーズにX-MENが関与出来るのは随分先かなぁなんて思ったりもしますが、さて一方その頃DCコミックスはどうなのか。

正直いって、これまでのトコロあまりパっとしていません。

超短期間でリブートしてファンを驚かせたスーパーマンの新シリーズ「マン・オブ・スティール」は、コミックの映像化といえばこの人→ザック・スナイダー監督に、制作にはダークナイトシリーズをヒットさせたこの人→クリストファー・ノーランというこれ以上ない布陣で制作したものの、評価的にも興収的にも巨大なインパクトには成り得ませんでした。

少なくとも「ダークナイト」程ではなかったんですね(これは明らかに悪役のゾッド将軍の役者選びミスだと僕は思っています)。

続く、バットマンvsスーパーマンでは遂にジャスティスリーグ(簡単にいえばDC版アベンジャーズ)へのフリが公開されるってんで大いに期待感を煽りつつも……、なんだか不完全燃焼な結果に終わってしまいました。

つまり暗過ぎた、んですね。

スーパーヒーローそのものは長年に渡って愛され続けているワケですからIPパワーを疑う余地などない状況なので、なんとも苦しい戦いが続いているといえましょう。

ヴィラン集合と云う題材は全然アリ

結果的にMARVELの成功を後追いする形となっている現状、ヒーロー単体の作品を積み上げながら数が出そろったトコロでまとめ的集合大作を公開する、というフォーマットはあまりにも二番煎じ感が強いのです。

MARVEL陣営がまだテを付けていなかったヴィラン・チームを映像化する企画が持ち上がったのは、人の気持ちを想像するにつけ必然だったように思えます。

「アメージング スパイダーマン2」のラストでは、シニスター・シックス(スパイダーマンのヴィランだけ集めたアンチヒーロー集団!)の結成を思わせる思わせ振りなシーンが差し挟まれファンをザワつかせるも、肝心のアメージング・スパイダーマン2の興収成績が酷すぎた為にあえなくシリーズ打ち切りという結末。

え!?あのラストで打ち切り……だと……!?

そしてあっさりとリブートを宣言し、「キャプテン・アメリカ:シヴィル・ウォー」でまったく別人の若者ピーター(演じるは19歳の俳優トム・ホランドくん)が、トニー(アイアンマン)のスカウトによってヒーローデビューしやがりました。

嗚呼、シニスター・シックスは夢と消えるのか……。

そこでDCから「スーサイド・スクワッド」のニュース。

これはなんだか両陣営の代理戦争的な思惑を妄想してしまう展開だったんです。

ウホッ!DCのヤツ放り込んできたな!^_^

褒めたい点を挙げてみる

そんな勝手妄想を抱きながら劇場に向かいました。

IMAXでの上映に期待も高まります。

そして総てを観終わったあと、感想を自分の中で反芻してみましたところ、この作品を観た感想として褒めたいポイントを絞りました。

大きくいって3点あります。さーっ褒めるぞーっ!

01.ハーレイクインが異常に可愛い

ほぼコレに尽きると云ってもいいでしょう。元々、アニメイテッド登場の時から大好きだったんですよね、ハーレイクイン。ジョーカーに恋するイカレ女、サイコ女子、として独特のキャラクタ性を持っています。

 見た目もフザケてるし、ジョーカーを溺愛しているけどまーまー利用されるだけ、ってのも哀愁あって好きでした。

ブルース・ティムのシンプルで迷いのない描線が、最大の魅力でもありましたね。

ハーレイクインをきっかけにブルース・ティムを知った人も多いんじゃないでしょうか。

僕はそうでした。

こんな簡単な線なのに不思議な色気があるんですよね。

大好き!

さて本作「スーサイド・スクワッド」におけるハーレイクインはとにかく最っ高でした。

最高のサイコ。

いや、サイコって意味では大して狂ってはいません。

ただただ何やっても可愛いです!

ハッキリいいまして、ここ20年位観てきた映画の中でトップクラスです(じゃあその前のトップは誰だったのかというと、エリザベス・ハーレイです!あ!ハーレイ繋がり!「オースティン・パワーズ」の1作目は必見だぜ!あと「悪いことしましょ」のリズも良かった!!)。

元々のハーレイクイン好きも手伝って、ガンガン点数を盛り上げてしまいました。

演じているのはマーゴット・ロビー。

彼女のスクリーンでの活躍を観る為だけに2100円支払ったとしても悔いはありません。

ヴィランなので悪態をつき人を馬鹿にしたようなセリフを吐きまくりますが、とにかく可愛いのでナニやっていてもぽやーんと観てしまいます。

物語の結末に大きく関わる役どころですが、そんなのもどおだってイイです。

大したストーリーじゃないし。

もしあなたが男性なら今すぐ2000円握りしめて劇場に向かってください。

そしてハーレイだけを観て満足して帰って来るといいですよ!

今年下半期NO.1確定です。

ラストバトル、水浸しのびしょ濡れハーレイクインを括目せよっ!

02.エンチャントレスの変身前がカッコイイ

この映画、ワイルドな男性キャラクタも多数登場しタフなアクションもチラホラとは見せてくれますが、一番カッコイイのは彼等ではなくエンチャントレスという魔女です。

劇中、数千歳にも及んでいる事が明かされます。

地下洞窟に封印されていたのを、考古学者であるジューンに誤って開放され彼女の肉体に乗り移っているというキャラクタ。

この話、そういえばそういうリアリティラインだったよね!

黒魔術的なビジュアルで獣のような動きを見せますが、心臓と呼ばれる「きちゃないナニか」を奪われると抵抗出来ないらしく、最初は政府のタフな女長官にパシリにされています。

が、魔術を使って心臓を奪い返し、一緒に封印されていた弟を復活させ自らも小林幸子化して世界の破壊を計画するんですね。

小林化したエンチャントレスが、この映画のラスボスです。

エンチャントレスが心臓を取り戻す前の小汚いver.の時が、とにかくカッコイイです。

写真では判りませんが、なんか火の粉みたいなエフェクトと黒い靄みたいなエフェクトを常に背負ってます。

この映像はもっともっと観ていたいなーと思いました。

が、残念ながら小林幸子(風な白いドレス姿)に変身してしまいます。

小林化の折、心臓を取り戻しているのだから全体的には強くなりそうなもんですが、全然弱いんですよねー。

あっさりとハーレイに心臓を抜かれますし。

ハーレイはサイコってだけで、超人的な特殊能力などは持っていないんですけども……。

小林化したエンチャントレスが魔法の力で造り出そうとする「謎の機械」の完成を阻止する、ってのが物語中盤以降の目的になりますが、ナニを作ろうとしていたのか結局最後までわかりません。

最後までわかりません!

わからせてよ!!

でも大スクリーンで観れて良かったです!

03.パンフレットのデザインと内容が秀逸

はい、もう映画以外の点を褒めちゃいますよ。

パンフレットです。

見た目からして馬鹿っぽさがイカしていますが、内容も最高です。

映画の情報をフォローするのはもちろんの事、原作コミックの世界観や歴史的背景をかなり突っ込んで掲載してくれています。

ああー、こりゃプロのやり口だねぇ。

あんたトンデモない相手を怒らしちまったねぇ(←いいたいだけ)。

アメコミ愛をひしひしと感じる内容に痺れました。

もし劇場に足を運んだ際には是非ともパンフレットを購入する事をオススメします。

のパンフは買うに値しますぞっ!

その他

んー。

なーんか色々と惜しいんですよねーこの作品。

良くなる可能性は各所にあったのになー。

それぞれの惜しいポイントでイマイチ乗り切れない仕上がりになっています。

真面目過ぎ

監督はデヴィッド・エアー(David Ayer)。

あー「フューリー」撮った人かあーーー。

ちょっと真面目過ぎたね!

いや作品自体はふざけてるんですよ、監督だけがただただ真面目だったんです、と思います。

例えていうなら「超真面目で大柄の柔道部主将が、物凄く頑張って放った渾身の一発ギャグ」が、全然笑えない感じに似ています。

コメディなのに笑えないんですよねえ……。

残念です、本当に残念です。

褒めてあげて!

最後の爆弾をセットしに行った兵士。

ヴィランでもなんでもない名もなき特部隊の1兵士ですが、セットしたら2秒で爆発する事が分かっている爆弾を文句もいわずに命令に従ったんですよ。

コイツもっと褒めたれよ!

ジョーカーが普通

後、ジョーカーはカッコ良かったから、もっと話に絡ませても良かったんちゃう?

基本的にハーレイクインの回想シーンでの活躍ばかりで、ジョーカーの異常性や悪の美学っつの?

カリスマ性?

みてーなのがイマイチ伝わってこなかったのも、もったいなかったなー。

ディテール自体はこれまでのジョーカーとカブっていないのにちゃんと個性的だったし、成金趣味のキンピカキャラとして十分カッコ良かったのにい。

そもそも、ジョーカーもハーレイも肉体自体はほぼほぼ普通の人同等くらいなので、彼等には実行サイドの役回りをさせたらアカンと思うんですよね。

強烈なカリスマで悪党を使い捨てにして自分では大して動かない、ってのがいいワケで。

まあはー例はハンマーとかバットのアイコンがあったから幾分仕方ないワケですけど、それでも自ら動き過ぎかなーって思ったなー。

まこの辺は単なる好みですけど!

どうでもいいですが、マコーレー・カルキン君に似てるよね、今回のジョーカー。

実はジョーカーはカルキンくんの成れの果てだった、という妄想で観るとなかなか楽しめましたよ。

カルキンくんは両親の欲に眩んだ醜い争いを目の当たりにして、精神に異常を来し遂にはジョーカーに……、とかどお!?

ちなみに、この映画はジョーカーとハーレイのラブコメとして観るのがたぶん正解です。

キャラクタの紹介テキトー

ここはシナリオの技不足でしたねー。

複数のキャラクタを登場させる必要があったので、流石にテンポ感は良かったんですが、あまりにとっちらかったまま過ぎ去ってしまいました。

数多いのがしんどかったかなー。

いやでも、MARVEL「ガーディアンス・オブ・ギャラクシー」の例もあるからやはりシナリオ次第だったんでしょう。

スーサイド・スクワッドのメンバー、名前覚えてないヤツいるもんね!

最後まで生き残ってたのに、ワニ男の名前とか全然覚えてないし!

結局、本物の特殊能力持ってるのってディアブロだけだったよね!

カタナが期待はずれ

カタナっつーキャラクタの名前ね。

女性で日の丸仮面に特攻服の日本刀剣士、って萌えるよね普通。

これ以上の中二感出そうと思うとなかなか難しいレベルで材料は揃っています。

でも彼女も中途半端に終わってしまいました。

日本語喋るんだけどなんか演劇みたいだったしなぁ。

それだったら全然喋らないSIN CITYのデヴォン青木(ミホ役)の方が全然かっこよかったなー(あ、未見の人にはオススメ映画ですよ)。

最後に

まーそんな感じですw。

ほんと、ハーレイが無茶苦茶良かったからお金を払って劇場で観た価値が維持出来た感じでした。

それ程に、実写版ハーレイクインは最高でした。

ハーレイクインは最高でした。

しかし、スーサイド・スクワッドまでもがこの調子になったんだとしたら、ジャスティス・リーグはどうなってしまうのか……。

あとワンチャン、ワンダー・ウーマンまで判断は先延ばしか!(←懲りない)■■

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