「アサシン・クリード」を観た感想は『素材の味を殺した残念作』だった

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かなり前ですが観たんです、劇場で。

絶大に観たいワケでもなかったのですが、原作であるゲームがなかなか好きだったので、興味があったんですよね。

そして何より、ファスベンダー兄貴が出演しているって事ですから、ちょっと目が眩んだんですね。

まさに眩んだとしかいえない出来栄えだったのですが。

ネタバレを厭わず好き勝手書きます。まー面白くなかったんですよ、コレが。

基本情報

主人公・カラムは幼少時に、アサシンの装束をまとった父親に母親を殺されるという悲惨な経験をし、その十数年後に殺人を犯し刑務所に収監、死刑が執行される。

死んだはずのカラムが目を覚ましたのは、複合企業・アブスターゴ社がスペインで運営する矯正施設の医務室だった。

ソフィア・リッキン博士と名乗る女性は、人の暴力性を無くすことで平和な世の中を作るため「エデンの果実」が必要で、その入手にはカラムの力が必要だという。

カラムは「アニムス」と呼ばれる、遺伝子記憶の再現装置に接続され、15世紀・ルネッサンス期のスペインを生きるアサシン・アギラールの半生を追体験することになる。

アニムスを通じてアギラールの記憶を見ていく中で、アニムスによるアギラールの記憶の流入に悩まされつつも、アブスターゴ社を運営し、アサシン教団と対立するテンプル騎士団の真の目的、エデンの果実がもつ本当の力、父はなぜ母を殺害したのかといった謎が紐解かれていく…

アサシン クリード (映画)

感想

UBIソフトから発売されている同名ゲームタイトルは既にシリーズ化されていまして、大ヒットしています。

まーよく出来たゲームで、設定も秀逸な良作。

でこのタイトルに心底惚れ込んでたかっつーと、そこまでじゃあなかったんです。

実際、最後までクリアしたタイトルはシリーズ中一本もありませんし、買ってさえいません。

ファンを名乗るには図々しい限りです。

しかしまあ、ゲーム開発を生業としている者がスルー出来ない存在感を感じたのは間違いありません。

当時はオープンワールド(風)のゲームシステムもまだまだ目新しい時代でしたし、簡単操作で多彩なアクション(笑)がバカスカ飛び出す、ビックリ箱的な側面も異彩を放っていました。

「え?そんなトコ登れんの?!」

「こんな場所から落ちたら死ぬわなあ流石にってそう回避する?!」

「そこわざわざ再現するか?!」

そんな感想が、ちょっとプレイしただけでも連発してしまうような、独特なゲーム体験だったのです。

アクションは素晴らしかった

最初に褒めておきますよ。

アクションシーンは、かなり良かったですね。

原作に対するリスペクトも充分に感じられる、なかなかの再現度でした。

まるでハイエンドなゲーム動画を観ているような気分になって、これは不思議な感覚だなぁと思ったのですが、我ながらなんとも現代的な感想だと思います。

編集のテンポ感もいい塩梅で、アクション映画を滅多に観ない(正直あまり好きではないので)僕でも、充分楽しめました。

原作ゲームをプレイしていると、ああこのアクションはあのシーンのな!とニヤニヤ出来るのもイイ感じ。

ファスベンダー兄貴もいいアクション出来るんですね。天晴れ。

話がタル過ぎる

はい、結論です。

アクションだけ、本当にアクションだけは、マジで良いんです。

しかし、それ以外の総ての物語進行を司るパートがことごとくタルい、いや超タル過ぎるっつー残念な事態に陥っていました。

ホント残念。

変に時間いっぱい使ってアレコレと詰め込みすぎたんでしょうね。

気持ちはよく判るしかしやり過ぎだ、といいたい、監督に。

もっともっと摘んで、話が多少ペラくなってもいいから映像のインパクトとアクションを軸にして、走り抜けるような作風になっていたら、全然違った評価を獲得し得たと思うんだけどなー。

元々の作品の色調も暗めなので、アクションシーン以外を観ている時の気持ちが、全然盛り上がりません。

善悪とは何か?といった根源的なテーマは目新しくないまでも、料理のやり方次第ではちゃんと物語に入っていけたと思うんですね。

しかし本作では、地味に長々と語っている為、アクションで盛り上がった気持ちが、ただただ冷え切っていくだけでした……。

物語は、一旦終了しつつも続編が制作可能な余白は残していました。

もう観ませんけどね!

最後に

ゲーム原作の映画はなかなかイイのが出ませんね。

もちろんイイのも存在はしていますが、打率は低めかもしれません。

ここはひとつ、ピージャクにゼルダでも撮ってもらうしかないんじゃないですかね!■■

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